コーヒーのホワイト問題 [世界の食]
先日のブログ日記にてイノダ・コーヒのホットコーヒーは最初から「砂糖・ミルク入り」が標準仕様であることを書きました。ブラックコーヒー派は注文する際に注意が必要かもと。
で、書きながら、とある記憶が蘇ってきました。
イギリスで私が最も使った言葉の1つは間違いなく「ぶらっく、ぷりーずっ!」。
というのは、あちらの国では店で注文するとホットコーヒーに最初からミルクを入れる習慣があったのです。←カルチャーショックでした。
駅のスタンドなどで普通にホットコーヒーを注文すると……。
かなりの高い確率でコーヒー牛乳のような色のホットコーヒーが出てきます。
「こ、こらーっ、勝手にミルク入れるな~っ!」(心の中の叫び)
1、2度のみならず幾度と無く繰り返されて、ようやく私も学びました。
何も言わないと、さすがミルクティーのお国柄、ミルクコーヒーが出てくることを。
ちなみに砂糖もミルクも入れない紅茶は現地では「ブラックティー」と言います。
紅茶に何も入れない場合、日本では「ストレートで」と言いますよね。
紅茶を注文する際も「ぶらっく、ぷりーず!」でいいようです。たぶん。
とにかく、あの国では海外からやってきたブラックコーヒー派は、コーヒーを注文したらすかさず必ず「ぶらっく、ぷり~ず!!!」と大きい声で告げるようになります。
最近はスターバックスやカフェ・ネロ、コーヒー・リパブリックなどの一大コーヒーチェーンが現地で台頭しており、さすがに新興のチェーンは勝手に砂糖やミルクを最初から入れてきません。しかし、これらの店で単に「本日のコーヒー」と注文を告げると、注文カウンター越しに「ホワイト?」と聞かれることになります。
「ホワイト」とは「ミルク入り」を意味します。
知り合いのニューヨーク育ちの帰国子女がイギリスに住み始めて驚いたことが、カフェでいつも遭遇するこの「ホワイト」問題(?)だったそう。
「ホワイト? はあ? ホワイトって何だよー?」(と思ったそうです……笑)。
ですので、英国独特の文化・風習なのだと思います。派生的に旧植民地など他国にもその習慣は広がっているかもしれませんが。
とにかく、あの国でブラックコーヒー派は店頭で「ブラック!」「ブラック!」と叫ぶ(笑)毎日になります。
いま手元にある「米国人のために書かれた超『英』語ガイド」のようなものを調べてみると(米国人用に英国の独特の言葉遣いや様々な文化について辞書形式で書いたおちゃらけ本です)、ありました、ありました、「ホワイト」の項目が。
やはり、米国人にも馴染みのない(?)言葉のようです。
この本に「ホワイト」という言葉を実際に使いこなすための説明も書いてありました。以下、その内容を簡単に記しておきます。ご参考まで(笑……何の参考にもなりませんが。すみません)。
英国でホットコーヒーや紅茶をいれてもらうとき、
「ブラック」か、
「ホワイト ウィズ」か、
「ホワイト ウィズアウト」を伝えることになります。
「ホワイト」は「ウィズ ミルク」を意味し、
「ホワイト ウィズ」「ホワイト ウィズアウト」の「ウィズ」「ウィズアウト」は砂糖を入れるか入れないかの返事になります。←イノダ・コーヒの「砂糖・ミルク入り」コーヒーは「ホワイト ウィズ」ということになりますね。
この本の著者は米国・テキサス州でコーヒーを注文した際にわざと「ホワイト ウィズ」とウェートレスに言ってみたそうです。
すると、そのウェートレスはこう応じました。
「一緒にって何を? ミルク?」