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二郎デビューをした日 [食べ物&飲み物]

人生には忘れ難き食事が数多くあるもの。
私が初めて「ラーメン二郎」に行った日もそう(笑)。食事というより闘いでしたが。

ここで提供されるラーメンを食べたことや見たことがないという方はググってください。
どういう食べ物なのかは検索すればわかると思います。

とにかく量が多い。どんぶりに野菜やチャーシューがてんこ盛りなラーメンです。

行列が絶えない店ということではよく知っていましたが、食べる機会というのはありませんでした。

「あれはラーメンという食べ物ではない、二郎という食べ物だ」
という格言もあると知人から聞き、「そこまで話題ならば」と現場主義(笑……どこの政治家だよっ!)の私は一念発起して、とある人気の二郎店に向かいました。あっ、最近の話ではありません。思い出しながら書いています。

超高級料亭よりも茶道よりも厳しいしきたり、所作が求められるという噂(?)もあるけれど、確かに注文の流れを予習していかないと昨今の流行言葉で言えば「KY」と周囲の常連から軽蔑を受ける確率高し。一見客には緊張が強いられる店であります。

まあ、そんな店、知り合いに連れて行ってもらえばいいのですが、
闘いとは孤独なもの。孤高を愛するはるちーは1人で突入です。

この店には1人で向かうのが粋だという勝手な思い込みもあり……。

長い列に並び、ようやく店のなかに入り、券売機で「小豚」を購入。
「小豚」ですが、この「小」とは麺の量を指します。「小」というのは呼び名だけで、普通のラーメン店の2、3倍(もっと?)はあるらしい。「豚」はチャーシュー。記憶によると分厚い大ぶりなものが5枚ぐらい入っていました。これで価格は700円ぐらいだったかな?

食券を買うと私の前に並ぶ人々に店の方から何やら質問が飛んできています。予習でここでは麺の多さ、固さを伝えると聞いていたので、私は緊張した面持ちで質問を待ちました。私の前に並ぶ人々が順番に答えています。

ところが……私にだけ、
「麺、少なめで?」
と違う質問が。

な、なぬーっ!!!

ここで、「はい」と言ってしまっては私のプライドが許さない。
最初から負けと判断されて、ハンデを与えられるのは耐えられない。

人を見た目で判断するとはっ!と、ここで私の闘いモードにスイッチが入りました。

「いいえ、普通でお願いします」

闘いに挑むはるちー。

意外そうにこちらを見る店の方の顔には「やめておいたほうが」という表情が読み取れましたが、私は一歩も譲るつもりはありません。ということで、注文は受け入れられました。

さて、席に着くと次の質問が飛んできます。
今度は「にんにく入れますか?」という質問。トッピングを増量にしたいときは、このときに一緒に答えないといけません。

いま思うとやめておけばよかったのですが、私の前に食べていた人々、注文している人々のほとんどが「野菜マシマシ」なんとかかんとかと増量をオーダーしています。シーンとした店内に専門用語が飛び交います。

ここで増量しなければ私のプライドが許さない。
ということで野菜の増量などをお願いしました。
予習してきたとおり、
「ニンニク、ヤサイ、カラメで」。

真剣勝負に店側も妥協しない量のラーメンを出してきました。見た瞬間は「別にこれぐらい食べられそう」と思ったのですが……。

仕事でもスポーツでも言えることですが、アマチュアとプロの違いの1つは自分の限界を知っているか否か。明らかに私はアマチュアとしての失敗を犯していました。

さらに、常連ばかりのなかで食べると大変です。
なにしろ食べるペースが違う。皆さん、黙々とかなりのスピードで食べています。
ここでノロノロと食べていたら軽蔑されるのは間違い無し。それに粋ではありません。

食べても食べてもなかなか減らないので、途中かなりあせりました。
店の方の言うことは聞いておくべきでした。と食べながら反省。

早食い、大食いの両方を求められるので慣れないとこれは相当辛い。
負けてはならぬ、の一心でなんとか具と麺を全部食べつくしました。
(スープは無理に飲まなくてもいいようです。レンゲもついてきませんし)。

か、勝った……(←何に?)。

食べ終わってからも「二郎道」は続きます。
どんぶりとコップをカウンターに上げ、そばにある布でテーブルを拭いて「ごちそうさま」と言って店を出るまでが「二郎道」だそうです。

店を出て外の空気をすい込んで私は誓った。

「今度行くときは麺少なめで」。



ちなみに「今度」の機会はまだ訪れていません……。

初めて行かれる方へ。初めて行った私からのささやかな助言です。
自己過信とプライドは捨てて注文しましょう。


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