気になる1冊 [読書]
『Suite Francaise』 Irene Nemirovsky (著)
キエフ(ウクライナ)出身のユダヤ人作家による小説。
ドイツ占領下のフランスを描いた作品です。
書かれたのは1942年。
62年間もの時を経て出版され、フランスでベストセラーとなった本です。
著者はキエフで生まれ、その後に一家でフランスに亡命。
フランスで作家として活躍していたが、ナチスの侵攻によりフランス憲兵に逮捕され、翌月にアウシュビッツで亡くなる。
小説という形だが、著者自身の体験がベースになっているのは間違いない。
舞台はドイツ占領下のフランスの小さな村。
著者はナチスから身を隠して暮らしていたフランスの村でこの作品を執筆していた。アウシュビッツ送りにならずに生きのびた娘2人の手によって近年、ようやく出版されたのである。
5部構成の予定だったらしいが、著者の死によってそれは実現しなかった。
完成したのは第1部「Storm in June」と第2部「Dolce」まで。
最近ようやく英訳されて再び話題になっている。邦訳が待たれる。