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「リトル・ダンサー」のミュージカル [旅]

これほど観客席から嗚咽が相次いだ舞台は初めてでした。

映画「リトル・ダンサー」のミュージカルを観てきました。
原題は「ビリー・エリオット」。この新作ミュージカル名も「ビリー・エリオット」。

11月上旬に観に行ったのですが、おそらくこの時期に最もチケットを取りにくい舞台だったと思います。ほかにも幾つかミュージカルを観たのですが、連日連夜チケットが完売だったのがこの「ビリー・エリオット」(話題のユアン・マクレガーのミュージカルのチケットなどはこれよりも簡単に手に入りました)。

どうにかしてマチネ(木、土曜日だけに行われる昼の部)のチケットを手に入れて、行って参りました。

事前に子供たちが多く出演するチラシなどを見て、正直、「学芸会に毛の生えた程度かなー」と期待もせずに席につきました。映画を舞台化したものだし、スクリーンでの感動を超えることはできないだろうと。
ところが……。

皆さま、ロンドンでミュージカルを観る機会があるならば、これを観てくださいっ!

映画も泣けますが、ミュージカルも泣けます。
ただし、涙が出るシーンはおそらく映画と舞台では違うと思います。

とあるシーン。周囲のご婦人方、一人が堰を切ったように「うっ、うっ」と声を出して泣き始め、それまで我慢していた他のご婦人方も泣き始め、その周囲も泣き始め……。

私の場合、映画では息子の夢のためにスト破りした父親の愛情の部分にうるうるしましたが、ミュージカルではまったく違うシーンでうるうる。ご婦人方も予想外のシーンでうるうる。映画では涙を流す場面ではない部分で、みんな泣き出していました。

主演のビリー役はおそらく12歳くらいの少年ですが、バレエ、ダンス、演技、間のとり方、タップ、歌、すべてが完璧。そしてダーラム訛りにもスキがありません。怒りと苦悩のダンスなどにも圧倒されました。若いのに、たいしたものです。あれだけ踊って、歌って、抑揚のついた演技をするとは。彼やその他の役者たちの素晴らしい演技が涙を誘います。

ちなみに席は1階ストール席。
2階、3階で観た場合とは感想は違うかもしれません。

私はミュージカルや舞台を観る場合、1階のストール席を選びます。役者の表情がよく見え、より物語に入り込めるからです。同じ値段で2階にもストール席がある場合もありますが、経験上、2階の一番前のど真ん中で観るよりも、1階の前から例え12、3列目の端でも、そこで観るほうが感情を揺さぶられる気がします(あくまでも、私の場合ですが)。上から見下ろすと、役者が小さく見えてしまうせいでしょうか……。

映画「リトル・ダンサー」を再び観たくなる舞台でした。

リトル・ダンサー DTSエディション

あ~、サッチャー元首相のことを書くつもりだったのに……。
長くなったので、また後日。