SSブログ

Merry Christmas Maggie Thatcher [Arts&culture]

クリスマス・ソングといえば、心温まる曲ばかりですが……。

『 Merry Christmas Maggie Thatcher 』

これが今春、物議を醸したクリスマス・ソングです。
(放置したまま書くのを忘れていましたー。さりげなく再エントリー)

Maggieは、マーガレット・サッチャー元首相の愛称です。
先日、ブログで紹介した新作ミュージカル「ビリー・エリオット」(映画「リトル・ダンサー」のミュージカル版)で歌われるナンバーです。作詞はLee Hall、作曲はSir Elton John。

ミュージカルでは、1984-85年の長期炭鉱ストの時代が描かれています。
このクリスマス・ソングは、当時のサッチャー首相を批判する歌です。
いや、批判というか、もっと強烈。

↓サビの部分の歌詞をご紹介。

Merry Christmas, Maggie Thatcher
May God's love be with you
We all sing together in one breath
Merry Christmas, Maggie Thatcher ←←←ここから衝撃の歌詞に。
We all celebrate today
Cos it's one day closer to your death

そう、サッチャー首相の死を心待ちにしているという内容の歌詞なのです。
このサビを何度も繰り返して歌います。子役たちも一緒に大合唱。
舞台にはサッチャー元首相の大きな人形も。

今春。このミュージカルのプレビュー後、新聞各紙は大騒ぎ。

現在80歳のサッチャー元首相は、2003年に夫を亡くしてから体がずいぶんと弱ってきていると言われていました。そんななか、このような歌が突然、それもミュージカルの舞台で歌われるということに、観客やメディアはショックを受けたようです。

しかし、今もステージや歌には変更がありません。
このあたりは、英国の真骨頂ですよねー。
日本ならば間違いなく、変更か打ち切りでしょう。スポンサーもつかないだろうし。

で今、最も人気のあるミュージカルです。
同じ「ビリー・エリオット」ですが、ミュージカルは映画よりもはるかに政治的です。

彼女の政策をきちんと批判するような内容の歌詞だけにすれば問題ないのに……と、私なんかはつい思ってしまうのですが、あの炭鉱スト時代の炭鉱労働者やその家族の怒りというものは、こういう歌で表現するしかなかったのかもしれません。

つづく。


nice!(1)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 4

ミホ

こんにちは。わたしは、はるちーさんのワナ(?)に引っかかってしまいました。
来週帰国するのですが、ロンドンで1泊する予定デス。友達に“ロンドン来るときは絶対連絡するように!”って言われているのを、スルーして、ビリーエリオットのチケット(夜の部)を取ってしまいました・・・(笑)!
正規のチケットはもう完売で、ちーっとお高いチケットを掴まされましたが、楽しみに行ってきます。ウワサのマギーさんのお歌も聴いてきますネ。
by ミホ (2005-12-13 07:57) 

がく

当時の炭坑ストは相当すごかったようですね。
自分も先日仕事でイギリスに一泊しまして、その準備としていろいろ勉強しましたが、当時のイギリスから比べれば日本の労働運動なんていうものは屁みたいなもんでしょう(笑)

それくらいの歌があっていいんじゃないかと思います。

自分が観た映画だと「ブラス!」なんかでその辺が多少描かれていますね。
by がく (2005-12-13 23:11) 

はるちー

>ミホさま
このクリスマスの時期に観に行かれるとはうらやましいです。
サッチャー元首相ネタに反応いただき、恐縮です(笑)。
この歌、メロディーだけだと実はめちゃめちゃノリノリのクリスマス・ソングなんですよー。鈴までシャンシャン鳴っていて。ご丁寧に韻まで踏んでいる(笑)。このミュージカル、特に私のツボに入ったのは炭鉱労働者たちの歌なんです。これらの歌詞が舞台の重要な軸になっています。よくおぼえているのがSolidarity♪Solidarity♪♪Solidarity♪forever~♪と歌う曲と演出。ほかの曲にもアレンジして入っていたりして……ああ、今思い出しても計算し尽くされた舞台でした。ミホさま、ブログでぜひとも報告をお願いいたします! 観た方と語り合いたいです。
by はるちー (2005-12-14 02:02) 

はるちー

>がくさま
彼らは気合が違う(笑)。
欧州はいまだにストをガンガンやりますよねー。
旅行中などに「どうせ回避するだろう」と日本人的な感覚でいるとトンデモないことになりますよね。何度泣いたか(泣)。飛行機は容赦なく飛ばない、電車は動かない……ある意味、今の日本人には新鮮ですが(笑)。英国で約3年前のことですが、労働党の政権崩壊につながった70年代末のゼネスト「不満の冬」のような状況になっていて驚きました。消防士、先生……大英博物館の職員労組までがストに突入していましたよね。今は労働党とはいえ、ブレア政権は80年代のサッチャー路線(賃金抑制など)を継いでいますから、一連の攻防はとてもおもしろかったです。「ブラス!」もいい映画ですよね。また観たくなりました。
nice! &コメント、ありがとうございました。
by はるちー (2005-12-14 02:07) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0