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映画「U23D」 [映画]

2、3年前のU2日本公演の興奮と感動がよみがえりました~。

映画「U23D」を先週ようやく観てきました。

いやー、映画館の観客が思ったよりもたくさんで、それが何よりうれしかった(笑)。
早々に打ち切りになったらどうしようと心配していましたから。

スクリーンを眺めながら、この4人が出会い、U2が誕生したのは本当に奇跡だな~と感慨深くなりました。

映画は南米ツアーのライヴを中心に構成した3Dライヴ作品。
立体に浮かび上がる映像を観ることができます。
3D専用のメガネをかけて映画を観ます。

もちろん実際のライヴでの独特の雰囲気にはかないませんが、それでも冷静でいようと思っても無理です。「Sunday Bloody Sunday」あたりから冷静でいられなくなります。

この映画、騒いでもいい上映の回があればいいのに……。

「One」なんて、もうスクリーンの中の観客たちと一緒に大声で歌いたい衝動に駆られます。理屈抜きで。

しかし、そこはぐっと、ぐっと我慢して静かに鑑賞。周囲に迷惑ですからね(笑)。
クールを装って、でも心のなかでは叫んで。

ああ、それにしても……。
一緒にウォーウォー♪叫びたいーーっと上映中に何度思ったことか!

ストーンズの映画「シャイン・ア・ライト」がステージ上の主役のスーパースターたち(&なぜかスコセッシ監督自身…笑)に光を当てる作品とすれば、「U23D」はステージ上のスーパースターたちと観客を浮かび上がらせる作品。観客たちも主役と言えるでしょう。

南米ツアー中心とあって、皆さんノリノリ。
観客の頭上に水しぶきが飛ぶシーンの立体映像なども「おおっ!」という感じです。
自分もそのライヴ会場の観客の1人になれる錯覚を呼び起こします。

余談ですが、ヴァーティゴ・ツアー日本公演の観客もこの映画の観客たちのノリに並ぶ(それ以上かも?)ぐらいサイコー!でしたよ。初日にボノが観客のものすごい盛り上がりに驚き、圧倒され、「クレイジー……」と言ったぐらい。

さて、映画の内容としては「3D」の要素以外では、ヴァーティゴ・ツアーのダイジェストといいますか、あっさり目。販売されているシカゴツアーのDVD(「ヴァーティゴ 2005//ライヴ・フロム・シカゴ」)を凝縮した感じです。

スレイン城ライヴでの伝説的な「500ポンド」エピソードのようなMCなども特に入っておらず、「ここで感動させてやろう」なんていう感傷的な演出を排除していたような気がします。
ただただ、ライヴの音で圧倒してきます。

3日間にわたる日本公演ではなかった(涙)、ボノの祭り太鼓風パフォーマンスもバッチリあります! ←同じドラムをラリーも叩くシーンがあるのですが、なぜかボノからは祭り太鼓を連想してしまいます……。

個人的には、映画のセットリストにはぜひとも、
「Elevation」、「City Of Blinding Lights」、「Bad」も入れてほしかった……。
曲の数、もっと増やしてほしかったです。

この映画は「3D」映像が目玉ですが、ちょうどこのころのボノってメタボ・マックスで、ボノの太り具合がありがたーい立体映像で実感できます(笑)。

と、冗談はほどほどにして、「3D」映像よかったな~と思えたのは、ドラムス、ベース、ギターなどの機材が立体的に目に映ることでした。特にアダムファンとかラリーファン、エッジファンにはたまらないですよ、きっと。

ところで。この映画、U2をまったく聴かないという人も観に行っているのでしょうか?

というのは、ちょっと心配だったのは、字幕は一切なし。

曲のタイトルすらもなし。昔の映画「魂の叫び」のような親切な字幕はありません。
あまり詳しくない人は、どれが何という曲なのかわからないのではないかと。
世界人権宣言の演出も、日本で上映するなら字幕か何かあったほうがいいような……。

パンフレットなどで説明しているならいいのですが、
そのパンフレットもなし!(驚)、その他のグッズもなし。
商売する気がなさすぎる~!

公式サイトにさえ、セットリストがない(笑)。
曲の説明もない。
この映画を観て個別の曲に興味を持つ人もいると思うと、もったいないなーと感じてしまいます。

いろいろなお約束についても説明もなしにただひたすらライヴ映像ですから、知らない人が見た場合はどうなるんでしょうね。

だって、MCでスペイン語が出てきても、英語での字幕もなし。

たとえば、「One」の曲を始める前に、ボノが「ウノ!ウノ!ウノ!ウノ!」と叫んでいる意味も、スペイン語をまったく知らない人には、何を言っているんだ?このおっさん、でしょう(笑)。

それから、ボノが必ずサングラスを外して歌う曲があるのですが、その背景なども知っているとまた違った聴き方、見方ができるはずです。

映画の曲や背景や演出の意図をもっと知りたいな、という方には、「ヴァーティゴ 2005//ライヴ・フロム・シカゴ」のDVDをおすすめします。

↓おまけ。
06年の来日公演最終日、ボノが京都から舞妓さんを連れてきたシーンの写真です。
U2 日本公演最終日(舞妓さん登場)画像.jpg
このときの曲は「Mysterious Ways」。
右下端にいるのはアダム。その頭上にあるのは日本の国旗です。

ツアーライブでは定番として、ボノのお楽しみタイムというものがあって(笑)、観客から女性をステージに上げて一緒にダンスしたり、たわむれたり(←もちろん、それも演出なのですが)する時間があるのですが、映画ではこういうシーンはカットされていましたね~(笑)。

ボノの名誉(?)のために言えば、ステージでは舞妓さんたちには実に紳士的に敬意を表していて、近付かずに一定の距離を保っていましたよ。指一本触れることもなく。舞妓さんたちがステージを通り過ぎるときも、ひざまずいて見送っていたような記憶があります。

最後に。
映画「U23D」、ミホさんが帰国する4月中まで上映していることを祈っています……。打ち切りにならないよう(笑)、たくさんの人に観に行ってほしいです。
タグ:U23D U2