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伝説の(悪い意味で)「夜のヒットスタジオ」 [U2]

1983年。
私はリアルタイムで観たこの番組をいまだに憶えています。

「夜のヒットスタジオ」という生番組に、初来日したU2が出演して生演奏をしたのですが、後々、「日本嫌い」という根も葉もない噂の一因にもなった伝説の(悪い意味で)出来事です。

何から書いてよいのかわからないぐらい、
「いろいろなこと」がありました。

歌った曲は『New Year’s Day』。

まず、生演奏中のエッジのギターの音が出ないというトラブル。
ギター・ソロの部分をボノがアドリブで歌ってカバー。

テレビには映っていないと思いますが、このときに番組に出演していた日本の男性歌手がエッジのアンプのほうに駆けつけて音が出るように一生懸命に直そうとしていたこと。西城秀樹とか野口五郎とかのジャンルの歌手だったはず(すみません、これは忘れてしまいました)。

結局、最後までギターの音が出ないまま。

たとえ日本のテレビでも口パクは頑なに拒否し、生演奏にこだわったU2。
機材のトラブルで不本意な思いをしたに違いありません。

しかし、古くからの日本のファンが問題視しているのは、
そんなことよりも司会者たちの失礼すぎる言動でしょう。

当時、彼らは23歳。
いまや世界的な影響力を持つモンスターバンドのU2も、こんな扱いを受けていたのです(涙)。

おそらく後にも先にも「最悪」の部類に入るでしょう。

だって、「お肉を食べている人たちだというかんじがします!」って、偏見以外の何物でもありません。

番組で突然出てきた凧を「U2にもあげるね」と言ってみたり……。

私の記憶が違っていたら申し訳ないのですが、U2が日本のテレビの生番組で生演奏をしたのはこのときを最後に二十数年間ありませんでした。インタビュー出演などはたくさんあると思いますが。

「もう二度と日本のテレビで生演奏はしないんだろうなあ……」
残念だけれど、それは仕方がないと思える悪夢のような出来事でした。

なので、当時をよく知る古くからのファンは、
昨年の来日時にテレ朝「ミュージックステーション」で生演奏をすると知って、ほとんどトラウマになっている「夜のヒットスタジオ」を思い出し、「頼みます、本当に頼みますからアーティストとして扱ってあげてください」「機材チェックも万全にしてください」「司会者は余計なことを言わないでください」と祈っていたはず。

「夜のヒットスタジオ」はおそらく、U2よりも日本のファンのトラウマになっていたのです。

あの一件で、日本を嫌いになったに違いないという思い込みがいつの間にか「日本嫌い」という噂になり、二十数年間にわたって事あるごとに「反日だから」と言われたり……。

本人たちは日本でそう言われていることを知り、しょんぼり落ち込んで本気で悩んでいたといいます。

これらの二十数年間のお互いの誤解の数々は、昨年の来日公演、テレ朝での生演奏の成功で払拭されたと思います。

当時の「夜のヒットスタジオ」、なんとYouTubeにありました(驚!)。
すごいなー、これを録画して保存していた人がいるんですね。
な、懐かしい。

画像は仕方がありませんが、ご興味のある方はぜひとも。

U2は白い旗を3本持ち込んでいたりして気合が入っていたことがうかがえます。

「ベストヒットUSA」@1983年は、上記のフジでの扱いとは雲泥の差。
こちらもYouTubeにありました(驚!)。

小林氏、いいインタビューをしてくれています。
これに対して真剣に答えるメンバー。

みんな、いいこと言っています。

どうしてこちらの番組が深夜枠に押し込められるのか、憤りを感じますよね。アーティストをアーティストとして扱うだけなのに、どうしてゴールデンタイムの音楽番組はこれができないんでしょう……。

「ベストヒットUSA」でのインタビュー模様↓


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