どうなるテロ [news&topics]
ロンドンでの爆破テロ未遂事件、グラスゴー空港での炎上車両突入事件……。
なんとなくだが、もっと大きなテロ事件が起きそうな気がする。杞憂に過ぎなければいいが。
英米に旅行される方は当面、大勢が集まる典型的な繁華街、イベントなどはなるべく避けたほうがいいと思います。特に世界各国の人々が集まる場所など。
最初のロンドン繁華街での車による爆破テロ未遂事件。
ヘイマーケット通りというとピンとこない人も多いと思いますが、あの自動車が発見されたナイトクラブ「タイガー・タイガー」付近から大通りを渡った場所(「トロカデロ」という一大アミューズメント・ビル前)の歩道は、ロンドンでも一番人口密度が高い場所だと思います。特に夕方~夜~深夜は万年、日本の初詣状態のように大混雑しています。
ロンドン一の繁華街「ピカデリー・サーカス」と大スターが登場する映画のプレミア上映会場でも知られる「レスター・スクエア」を結ぶ通りで、両地区を行き交う人々で常にごった返しています。地下鉄ピカデリー線で1駅ですが、歩いても非常に近い。空気の悪い地下に行って電車を待ったりするよりも夜風を感じながら歩いたほうがいいと判断する人が多い通りです。地下鉄の初乗りは1駅でも片道約1000円(!)ですし。おそらく、英国のなかで外国人比率も最も高い場所だと思います。
今回、第一報でふと思い出したのが、2002年のバリ島爆弾テロ事件
あのときも外国人観光客が多く集まる場所が狙われました。
ナイトクラブでの自動車による爆弾テロ。
日本人も含め、202人が亡くなりました。
世界中からの観光客が犠牲になれば、世界中がテロに注目し、各国の人々を恐怖に陥れることができる。今回のテロ未遂事件の場所からもそのような意図を感じました。グラスゴー空港も世界中から人々が集まる場所です(グラスゴーは新首相に就任したブラウン氏の出身地なので狙われたと思われる)。
そういえばイラク戦争に突入する数カ月前の2002年暮れ、爆破物を積んだ車での自爆テロの手口を警戒する警報などが繰り返されていたことも思い出します。
当時は、クリスマス明けのハロッズ・デパートに爆破物を積んだ車が突っ込む可能性があるなどと報じられていました(クリスマス明けの恒例の名物セールに国内外の人々が殺到するため狙われやすいらしい)。この年はテロを警戒し、大晦日恒例の花火イベントも中止されました。
テロを避けるには多くの人々が集まる場所になるべく行かないような警戒が必要ですが、あまりにも警戒しすぎて日常生活が脅かされることになればテロを企てる犯罪者らの思うつぼ……。なかなか難しいものです。