コーヒー1杯で7万7000円② [パソコン]
覆水盆に返らず。
自業自得。
そんな言葉がぐるぐる、ぐるぐる。頭の中をぐるぐる。
そしてコーヒーはマグカップに返らず……。
そう、ちょとした弾みでノートパソコンにコーヒーをぶちまけてしまったのです。
コーヒーがかかったのはキーボードの三分の一程度の部分。
しばらくすると「きゅううううーん」という切ない音を立てて画面は真っ暗に。
ああ、なんて切ない音……。なんて切ないパソコンの叫び……。
同じような目に遭った人の話を聞いたことがあるので、
何が起きたかはすぐに把握できた。
もうパソコンは起動しないだろう……。
ということは、データが全滅? メールも全滅?
↓
一時ボーゼン。そしてパニックに。
「ど、どうすればいい?」
こうして夜中にパソコンに詳しそうな知り合いに電話をかけまくり。
「とにかく、電源を入れないでください」
「半日よく乾かしてから電源を入れてみてください」
などとアドバイスをいただく。
救いは砂糖もミルクも入っていないブラックコーヒーだったことぐらい。
症状を伝えると、どなたの口からも、
「それはハードディスクがやられている可能性大ですね」。
そ、それはデータは全部戻ってこないってコト?
うううっ、これは痛恨の極み。
ほかにもパソコンはあるのだが、使い勝手のよいこちらのノートパソコンばかり使っていて、最近はバックアップもとっていなかった。それにメールのバックアップの仕方なんて知らないから、こちらは何千通も一瞬で消えたことになる。
時間がたつにつれ、実際のダメージが計り知れないことがわかってくる。
ど、どうしよう。おろおろ。
関係者にも多大な迷惑をかけることになる。
もう考えるのも恐ろしい。
しばらくは立ち直れないな、ダメージが大きすぎて。
とにかく寝て落ち着こう。
朝になったら乾いていて起動もできるかもしれないし。
しかーし、現実はやはり甘くないのである。
朝、電源スイッチを入れてもパソコンは死んだままだった。
(続く)。