政治家とクラシック [news&topics]
私が好きな英国の政治TVドラマに、こんなやりとりがある。
首相に就任して初のテレビ収録に臨む男。
改革を断行すると意気込む新米首相だ。
首相として最初のテレビ登場となるだけに気合が入る。
首相は、そのための打ち合わせというか、事前の練習のためにスタジオに入る。
そして、テレビ局のディレクターから数々のアドバイスを受けるわけだが……。
ディレクターは映像が視聴者にどういう印象を与えるのかを知りつくしているベテラン。
イメージづくりに躍起になる首相とスタッフ達。
背広の色、メガネ、姿勢、話し方、スタジオのセット……etc.
ダーク・スーツは伝統的な価値観を象徴する、薄い色のスーツはビジネス・ライクに見える、どうする?など細かいことをひとつひとつ詰めていく。もちろん、選択するのは首相自身だ。その中で、この番組のオープニング音楽をどうするかという話題になる。
ディレクター「そうそう、オープニング・ミュージックを決めないと」
ディレクター
「いいですか、バッハは〝ニュー・アイデア〟
ストラヴィンスキーは〝ノー・チェンジ〟」
首相
「わが英国の作曲家を選ぶべきだ。何かこう、私のイメージを反映するような…」
ディレクター「エルガー……? たぶんいけるでしょう」
首相
「エルガー! それだ、それ」
「『希望と栄光の国』という曲はダメだよ。ははは」
(↑ギャグのつもり。でも自分自身をそんなイメージだと思っている。周りは冷たい反応)
クラシック音楽にもイメージを左右する要素があるようだ。
しかし、ストラヴィンスキーがそんなイメージを与えるとは意外。
安藤美姫よ、「火の鳥」は今回、やはりやめておくべきだった……。
さて、小泉首相にあうクラシック音楽を考えてみた(←おせっかい)
エルガーの「エニグマ(謎の)変奏曲」はどうだろう。
主旋律がわからない謎の曲。
そして、主旋律は永久に謎のまま……。
関連日記「政治家とロック」(16日付)
http://blog.so-net.ne.jp/bounds/2005-04-16