シャイン・ア・ライト [映画]
スコセッシ監督が撮ったローリング・ストーンズの映画。
先日の日記で感想を書くといったまま、忘れていました(笑)。
この映画、ストーンズを知らない人が何の予備知識も持たずに観た場合、果たして最後まで楽しく、おもしろく観るだろうか……映画を観ながらそんな心配をしていました。ライヴ映像がずっと続きますので。
楽しく感じて観てくれることを願います。
私はどちらかといえばストーンズの予備知識がある側なので、そのあたりの一般的な印象や評価はどうなのかはわかりませんが、ストーンズに興味のない人、知らない人がこの作品を観て「ストーンズ、いいね、最高」と思うようならば、さすがスコセッシ監督というところでしょうか。
以下、あくまでストーンズの予備知識がある立場での感想です。
2回も観に行ってしまいました(笑)。
意外だったのは、スコセッシ監督も自ら出演していること。
公演が始まる前に、スコセッシ監督も登場して、なかなかセットリストを決めないミック・ジャガーとのせめぎ合いがあるのですが、ミックが登場するシーンのBGMは優雅なピアノ曲かなにかで、スコセッシ監督が出てくるシーンではザワザワ、せかせかした落ち着きのない雑音が入っていたりして、おもしろい演出をしています。
スコセッシ監督、落ち着け~って(笑)。
ノーベル賞を受賞した益川教授のキャラに似ているかも?と、ふと思いました。
なかなか楽しい演出、シナリオです。
ミック・ジャガーって昔はあまり好きではなかったけれど、ミックは年をとった近年の姿が最もカッコいいのではないかと思います。ストイックな体型、公演会場の誰よりもエネルギッシュな動き……。
たとえば3曲目か4曲目の「All Down The Line」での、浅田真央に負けず劣らずの(笑)激しくも華麗なストレートライン・ステップシークエンスは、ただただ「すごい、ミック……」です。
これだけでも観る価値あり。2回目を観に行ったのは、
このシーンをもう一度観たくなったため(笑)。
1回目に映画を観たときに一瞬、別に監督がスコセッシではなくてもこれぐらいの作品は撮れるよね~、最近のミュージックビデオの撮影技術はすごいし~、と不謹慎なことをちょっと思ったわけですが、あやまります。すみません。
スコセッシ監督は本当にストーンズが好きなんだな~と、スクリーンからビシバシ伝わってきます。ストーンズの一員になりたいけれど、決して他人が入り込めないストーンズの絆、のようなものも十分に描いていたのではないかと。
ストーンズ・ファンなら観たいと思うであろう場面をきっちりとおさえています。演奏直後のチャーリー・ワッツの「ふぅ」という表情や、演奏中の自由すぎるキース・リチャーズにミックが「おいっ、勝手なことすなよ?な?」という目をちらっと向ける瞬間など、貴重な映像が盛りだくさん。
ゲストのバディ・ガイもすごかった。あの表情、存在感に圧倒されました。
ところで、あの激しい動きでお腹がちらっと見えるミックのTシャツの丈は計算の上だろうな~(考えすぎ?)。
さて、ステージ上のストーンズが熱いのとは対照的に……。
観客がぬるいのがかなり気になったのですが、善意で解釈すれば、これもある意味、商業的なストーンズの側面を映し出していたといえるのかもしれません。でも、こんな貴重なライヴを前にどうしてもっと盛り上がらない?と思ってしまいます。
ステージそばには、明らかに事前に仕込んだと思われる若い美しい女性たちを不自然なほど多く配置させています……。盛り上がる演技ぐらいしてほしいなー。
昔々、ストーンズのアルバムのライナーノーツかなにかで、「ビートルズの公演はブスが多くて、ストーンズの公演には美人が多い」(ビートルズのファンにはブスが多くて、ストーンズのファンには美人が多い、だったかな??? 間違っていたらすみません)というような、今振り返るとよくこんなことが公に書けるものだなーというトンデモな解説が載っていたことがありました。むちゃくちゃなライナーノーツです。そんなことをふと思い出しました(笑)。それとも、ストーンズは当時から観客としてエキストラを仕込んでいたのでしょうか???(笑)。
映画では、過去のインタビュー映像もところどころに使っています。
初めて目にするものばかりで、とてもおもしろかったです。
ミックとキースが麻薬かなにかで捕まって隣同士でブタ箱に入れられたとき、キースが壁をたたいて弱気なミックに「あきらめるな」と声をかけて激励し、壁を挟んで2人で一晩中お互いを励ましあったというエピソードについてインタビューで話す当時のミック。まだ20代?
続けて「60歳になってもストーンズを続けている?」と聞かれて、
当時の若いミックは一言「easily(楽勝だね)」。
そんな映像からいきなりステージ上のキースのショットに切り替わり、
そして始まった曲は「ブラウン・シュガー」。
ベタかもしてないけれど、スコセッシ監督、いい仕事していますよ~!
ファンでなくてもたまらないですよ、この一連の流れ。
でも、「It's Only Rock 'n' Roll」がなかったのは、ちょっと意外でした。
悔やまれるのは、もっと早く、より音響もよい六本木ヒルズのTOHOシネマズの大きなスクリーンで観ておくべきだったこと……ロングラン上映の映画館のスクリーンは小さくて(涙)。
細かいところでは、ティム・リースもいたな~。
↓
過去の日記です。
「お上品なストーンズ」
最近、またカバーアルバムを出したみたいですね。
これかな~、以前、ヘアサロンで流れていて「おっ?」と思ったんですよね。
おしゃれにアレンジされたストーンズのナンバーでした。
↓
先日の日記で感想を書くといったまま、忘れていました(笑)。
この映画、ストーンズを知らない人が何の予備知識も持たずに観た場合、果たして最後まで楽しく、おもしろく観るだろうか……映画を観ながらそんな心配をしていました。ライヴ映像がずっと続きますので。
楽しく感じて観てくれることを願います。
私はどちらかといえばストーンズの予備知識がある側なので、そのあたりの一般的な印象や評価はどうなのかはわかりませんが、ストーンズに興味のない人、知らない人がこの作品を観て「ストーンズ、いいね、最高」と思うようならば、さすがスコセッシ監督というところでしょうか。
以下、あくまでストーンズの予備知識がある立場での感想です。
2回も観に行ってしまいました(笑)。
意外だったのは、スコセッシ監督も自ら出演していること。
公演が始まる前に、スコセッシ監督も登場して、なかなかセットリストを決めないミック・ジャガーとのせめぎ合いがあるのですが、ミックが登場するシーンのBGMは優雅なピアノ曲かなにかで、スコセッシ監督が出てくるシーンではザワザワ、せかせかした落ち着きのない雑音が入っていたりして、おもしろい演出をしています。
スコセッシ監督、落ち着け~って(笑)。
ノーベル賞を受賞した益川教授のキャラに似ているかも?と、ふと思いました。
なかなか楽しい演出、シナリオです。
ミック・ジャガーって昔はあまり好きではなかったけれど、ミックは年をとった近年の姿が最もカッコいいのではないかと思います。ストイックな体型、公演会場の誰よりもエネルギッシュな動き……。
たとえば3曲目か4曲目の「All Down The Line」での、浅田真央に負けず劣らずの(笑)激しくも華麗なストレートライン・ステップシークエンスは、ただただ「すごい、ミック……」です。
これだけでも観る価値あり。2回目を観に行ったのは、
このシーンをもう一度観たくなったため(笑)。
1回目に映画を観たときに一瞬、別に監督がスコセッシではなくてもこれぐらいの作品は撮れるよね~、最近のミュージックビデオの撮影技術はすごいし~、と不謹慎なことをちょっと思ったわけですが、あやまります。すみません。
スコセッシ監督は本当にストーンズが好きなんだな~と、スクリーンからビシバシ伝わってきます。ストーンズの一員になりたいけれど、決して他人が入り込めないストーンズの絆、のようなものも十分に描いていたのではないかと。
ストーンズ・ファンなら観たいと思うであろう場面をきっちりとおさえています。演奏直後のチャーリー・ワッツの「ふぅ」という表情や、演奏中の自由すぎるキース・リチャーズにミックが「おいっ、勝手なことすなよ?な?」という目をちらっと向ける瞬間など、貴重な映像が盛りだくさん。
ゲストのバディ・ガイもすごかった。あの表情、存在感に圧倒されました。
ところで、あの激しい動きでお腹がちらっと見えるミックのTシャツの丈は計算の上だろうな~(考えすぎ?)。
さて、ステージ上のストーンズが熱いのとは対照的に……。
観客がぬるいのがかなり気になったのですが、善意で解釈すれば、これもある意味、商業的なストーンズの側面を映し出していたといえるのかもしれません。でも、こんな貴重なライヴを前にどうしてもっと盛り上がらない?と思ってしまいます。
ステージそばには、明らかに事前に仕込んだと思われる若い美しい女性たちを不自然なほど多く配置させています……。盛り上がる演技ぐらいしてほしいなー。
昔々、ストーンズのアルバムのライナーノーツかなにかで、「ビートルズの公演はブスが多くて、ストーンズの公演には美人が多い」(ビートルズのファンにはブスが多くて、ストーンズのファンには美人が多い、だったかな??? 間違っていたらすみません)というような、今振り返るとよくこんなことが公に書けるものだなーというトンデモな解説が載っていたことがありました。むちゃくちゃなライナーノーツです。そんなことをふと思い出しました(笑)。それとも、ストーンズは当時から観客としてエキストラを仕込んでいたのでしょうか???(笑)。
映画では、過去のインタビュー映像もところどころに使っています。
初めて目にするものばかりで、とてもおもしろかったです。
ミックとキースが麻薬かなにかで捕まって隣同士でブタ箱に入れられたとき、キースが壁をたたいて弱気なミックに「あきらめるな」と声をかけて激励し、壁を挟んで2人で一晩中お互いを励ましあったというエピソードについてインタビューで話す当時のミック。まだ20代?
続けて「60歳になってもストーンズを続けている?」と聞かれて、
当時の若いミックは一言「easily(楽勝だね)」。
そんな映像からいきなりステージ上のキースのショットに切り替わり、
そして始まった曲は「ブラウン・シュガー」。
ベタかもしてないけれど、スコセッシ監督、いい仕事していますよ~!
ファンでなくてもたまらないですよ、この一連の流れ。
でも、「It's Only Rock 'n' Roll」がなかったのは、ちょっと意外でした。
悔やまれるのは、もっと早く、より音響もよい六本木ヒルズのTOHOシネマズの大きなスクリーンで観ておくべきだったこと……ロングラン上映の映画館のスクリーンは小さくて(涙)。
細かいところでは、ティム・リースもいたな~。
↓
過去の日記です。
「お上品なストーンズ」
最近、またカバーアルバムを出したみたいですね。
これかな~、以前、ヘアサロンで流れていて「おっ?」と思ったんですよね。
おしゃれにアレンジされたストーンズのナンバーでした。
↓
タグ:ストーンズ
>ところで、あの激しい動きでお腹がちらっと見えるミックのTシャツの丈は計算の上だろうな~(考えすぎ?)。
絶対、計算してます!ミックは、良い意味でも悪い意味でもそういう人です(笑)。
私(over40)が音楽を聴き始めた中学生ごろは、まだビートルズの存在感みたいなのが全体に漂っていてほのかにビートルズに対する同時代感があったんですよね。しかもミドルティーンの女の子にはストーンズは、見た目が怖くて、ちゃんと聞きはじめたのは大学入ってからでした。しかもハウリン・ウルフとかマディ・ウォーターズ経由なので、随分遠周りしたもんです。
この映画、ぜひ見たいんですが、なかなか時間が・・・。スコセッシって、たまにはずすけど基本的に趣味がいいんで(上から目線ですみません)、楽しみです。
by chicory (2009-02-23 00:49)
>chicoryさま
さすがchicoryさま、お詳しい!
やはり、そうですか!
ミックのお腹ちら見せ、おなかいっぱいの映画です(笑)。ミックって抜け目のないビジネスマンの顔を持っていますよね。映画では20代の映像がいくつも出てくるのですが、めちゃくちゃ生意気で、今とは雰囲気が違いました。今はサーですからね~(笑)。
確かにストーンズ、子供のころは怖い人たちでした。ジャケットも毒々しくて、女の子で聴いている人って周りではほとんどいなかったです。ただ、ビートルズはもうすでに音楽の教科書に載ってしまう存在で、優等生的な音楽のイメージになっていたので、刺激を求める人はストーンズを聴いていたかもです。
マディ・ウォーターズって私は反対にストーンズ経由で知りました。映画では、マディ・ウォーターズのナンバーも聴けました!
私も上映終了のギリギリで観たので、もう都内では上映はしていないかもしれません……もし、まだ映画館で観られるようでしたら、ぜひとも大音響で観てみてくださーい。
by はるちー (2009-02-23 09:35)