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グッドナイト&グッドラック [映画]

気に入っている映画館はTOHOシネマズ・六本木ヒルズのスクリーン7。
観たい映画はできればこのスクリーンで観たい。スクリーンの大きさ、音響、客席数(644席)、予約システムなどの総合点が一番いいように思える。

で、そのスクリーン7でなんと、新作(4月29日公開)の
『グッドナイト&グッドラック』をやっているではありませんか。
しかし、チェックしてみると、スクリーン7で上映するのは5月5日(金)まで。
それ以降は7よりも小さいスクリーンへ移る。

これは今夜(5日)行かなければ!と帰宅途中、夜遅くの上映ですが寄って観てきました。このモノクロ映画をまさかスクリーン7で上映するとは思わなかった。駆け込みで上映1時間前ぐらいにチケットを買ったが、夜遅いせいかあまり混んでおらず、ほぼベストポジションで見ることができた。

時代は1950年代。米国。マッカーシーイズムに立ち向かうCBSのキャスター&記者&プロデューサー達の実話に基づく映画である(ジョージ・クルーニーが監督・共同脚本。出演も)。

いやー、ジャズも役者も最高♪
特に音楽がこんなに素晴らしいとは予想外でした。
映画で一貫して使われるのは、ジャズ・ナンバーを歌うダイアン・リーヴス。本人も出演して50年代のいい雰囲気を出しています。←これがなければ映画はまた違ったテイストになっていたでしょう。

とあるシーンで、エラ・フィッツジェラルドの代表曲で有名な「How High the Moon」がダイアン・リーヴスのアレンジで流れたときには、ぐっときました。

音楽もスクリーンもスモーキー。スタイリッシュで骨太。
映画で扱うのは硬派なテーマですが、ところどころにクスッと笑えるセリフも散りばめられています。

この映画が伝えたいメッセージは実際に映画館で観ていただければ分かるので、その部分について私があれこれ言うのは控えます(書くと長くなりそうですし)。
それ以外の部分で、私がこの映画で最も好きなシーンがここでした。

主人公である伝説のキャスター、エド・マロー(デヴィッド・ストラザーン)が勝負をかける原稿の締めの言葉を夜遅くまでタイプライターを打ちながら練っている場面で、その机の脇のソファに番組プロデューサーのフレッド・フレンドリー(ジョージ・クルーニー)が座って時間と空間を共有しているシーンです。

2人の間の友情、信頼はこのワンシーンで言い尽くされるような場面でした。そのような上司や先輩、同僚を持ったことのある人ならば、ああ分かる分かる!という場面だと思います。ああ、本当にいいシーンだった! 仕事でも私生活でもこのような人間関係は最高ではないでしょうか。

大スクリーンで観ることができてよかった点は、俳優たちの細かな表情や動きをとらえることができたこと。マロー役の俳優はとりわけ秀逸な演技をみせるのですが、それは時には指先だったり、吸いかけのタバコだったりするので、DVDだと観る側がスルーしてしまう可能性がある。それから、ドン・ホレンベック役のレイ・ワイズの微妙な表情の演技が素晴らしく、繊細で複雑な心情を感じ取れるのも大スクリーンならではの醍醐味かなとも感じました。DVDを待たず、ぜひとも映画館に足を運んでいただきたい作品です。

この映画をつくるために自宅を抵当に入れて製作費を捻出したジョージ・クルーニーは、マッカーシーを批判する報道番組の新聞広告費3000ドルを自腹で出したマロー&フレンドリーとどこか重なるように思えた。ジョージ・クルーニーにとってこの映画はどうしても撮らなければならなかった作品であり、マロー&フレンドリーにとってこの報道番組は一人でも多くの人に観てもらわなければならなかった放送人の良心と使命である。

また、ニュースキャスターを父に持ち、幼いころからテレビ報道を見つめてきたジョージ・クルーニーだからこそ撮れた映画だろう。

ともあれ、この決して派手ではない映画をゴールデンウィーク中に館内の一番大きなスクリーンで上映してくれたTOHOシネマズ・六本木ヒルズにも私は拍手を贈りたい。

Good Night & Good Luck - O.S.T.映画のサントラです。これは買いかな。

『Good Night and Good Luck』
Dianne Reeves


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はるちー

>ろっくさま
nice! &ご訪問ありがとうございます。
by はるちー (2006-05-09 01:39) 

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