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ジェイムス・ブラント研究会 [音楽]

いいのか、ジェイムス・ブラントのことばかり書いていて(笑)。
いいのだ、これは私のブログだ。

先日の『You're Beautiful』の歌詞についての日記でいろいろと感想をいただきました(みなさん読んでくださってありがとうございます)。
こういうのって楽しいですね。いろいろな感想、とても興味深く拝読しました。

さて、課題の「a plan」です。

この人の歌詞にはrhyme(韻、特に脚韻)がさりげなく、かつ効果的に入っているという特徴を考えると、この「plan」は2行前の「man」の韻を踏んでいるのではないかと気がつきました。

I saw an angel.
Of that I'm sure.
She smiled at me on the subway.
She was with another man.     ←ここと
But I won't lose no sleep on that,
'Cause I've got a plan.        ←ここ

とすれば、最初に音ありきで、あまり「plan」に固執することはないのかなという気もしてきました。韻を踏むためにplanという単語を出してきたのであれば、planの持つ意味をそれほど深読みしなくてもよいのかもしれません。この文脈で考えると「やることがあるからね」ぐらいの対訳でいいのかも。

しかし、である。
逆に言えば、「plan」という言葉を使うために2行前のラインに「man」という単語を持ってきたのかもしれません。

はい、ぐるぐると考えて再びスタート地点です(笑)。

上記の点はいい加減な思いつきです(すまぬ)。
このあたりについても、またいろいろと意見をお聞きしたいです。もし英文科などのご出身の方がいらっしゃいましたら、ぜひとも専門的な見地からよろしくです。

それから新たな質問もいただきました。

『You're Beautiful』の歌詞に「she」と「you」の両方が交ざっているのはなぜか、という質問です。

これは私も気がつきましたが、「音」の響きで使い分けたのかな?ぐらいに思っていました。この質問をされた方は、「見かけたカノジョはもう他人だけど、心の叫びの中ではやっぱりyouということなのかなぁ」という分析をされていました。

確かにそこに注目して考えてみると、sheとyouで心情や元彼女との距離感を書き分けたのかもしれませんね。目に映るのはsheだけど、心の中ではyouという。一方で、一目ぼれという読み方もできる歌詞にしたかったのかなーとも思います。

何にでも答えを求めようとするのはよくないと思いますが(反省)、
論じ合うのはいいのではないでしょうか。
いろいろな方の視点や意見を聞いてみたいです。

ということで本日のブログ上にジェイムス・ブラント研究会を発足(笑)。
コメント欄に思ったこと、考えたこと、感じたことを自由に書いていただければうれしいです。疑問点も大歓迎です。


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コメント 8

ちか

すごーい、ついにブラント研究会発足!
聴いていて心地よく感じるのは、韻を踏んだ歌詞だからなんですよね。私もplanの箇所についていえば、最初に音ありきって可能性が高いと思います。
sheとyouの考察は大変興味深かったです。なるほどね~。
こういうふうに、言葉の意味をあれこれ推測したり、秘められた意味を考えたり、韻を分析したり、、、、このような作業はまるで文学です。(いちおー、英文学科出身) ブラント様の歌詞ってこんなふうに文学的楽しみ方もできるんですね。さすがイギリス人だ。

ちなみに、話ぜんぜん変わりますが、はるちーおすすめの「ホテルルワンダ」観ました~。興味深い、というか、深く考えさせられる秀逸な映画でした。
by ちか (2006-05-01 16:01) 

NO NAME

英語や仏語の詩で韻を踏むのはすごーく当たり前と聞いたことあります。
逆に「韻を踏まないようなものは詩じゃない」くらいなはずです。
シェイクスピアも韻を踏むためだけに出てくる言葉とかあるじゃないですか。

それはそうと気になる she ですが。
普通に最初から読んでいくと an angel =she で
それから唐突に you're beautiful なんですね。
だからやっぱしヒントはココ↓ですよね…
There must be an angel with a smile on her face,
When she thought up that I should be with you.
天使のように美しい彼女がいて、もう神々しいくらい美しいんだけども
でもyou と呼びかけたとたんに「別れた彼女」になってるのかなと。
天使の笑顔で「あんたなんてキライ」とか言っちゃう生身の彼女で、
そうすると
you're beautiful, it's true.
がなんか別の雰囲気で聞こえてきますが。どうでしょう?
by NO NAME (2006-05-01 18:43) 

のっこ


うえのやつおいらでした、匿名になっちもうた…
by のっこ (2006-05-01 18:44) 

はるちー

>ちかさま
そういえば、マルーン5のShe Will Be Lovedも「she」と「you」の両方が交ざっていることを思い出しました。日本人はいちいち主語をつけないことが多いので(いちいち「君はきれいだ」「あなたはきれいだ」とは言いませんもんね。「きれいだよ」で済みますよね)、このあたりの感覚は微妙ですよね。意味があるのかもしれないし、それほどないのかもしれない。歌詞の場合は日本語でも行間をどう読むかは人それぞれですので、自分なりの解釈でいいと思います。深く読んでも浅く読んでも斜めに読んでも、それは歌を受け取る側の人生がそこに反映されているのだから。なーんて(笑)。とにかく、いろいろな人の意見や感想を聞くのは楽しいです。
「ホテル・ルワンダ」についてはまた感想をお聞かせください。主人公の演技も秀逸でしたよね。
by はるちー (2006-05-02 04:11) 

はるちー

>のっこさま
「no rhyme, no life」って感じですよね彼らは(特に英国人)。ジェイムスの場合は、さりげなく歌のところどころに韻がとけ込んでいるのが魅力だと思います。ヒップホップなどでありがちな耳につく、わざとらしいrhymeがないですよね(歌い方のせいかもしれませんが)。口に出すと美しいということが分かる歌詞ではないでしょうか。以前、日本デビューする時の彼の売り出しコピーが「イギリスの吟遊詩人」で笑ってしまったのですが、今となっては「その通りです。ごめんなさい」と素直に謝ります(笑)。
さて、「she」と「you」の件ですが、のっこさまは深いですね。
私もヒントがそこだということに激しく同意します。
ところで、youと呼びかけたとたんに「別れた彼女」になる←これは距離を感じているということでしょうか?それとも、元彼女ということで親密の度が一気に深まるということでしょうか? 一つ前のコメントでも書きましたが、マルーン5のShe Will Be Lovedという曲にも「she」と「you」が交ざっていることを思い出しましたので、こちらも参考にしながら私もあれこれ考えてみまーす。
by はるちー (2006-05-02 04:15) 

のっこ

イギリスの吟遊詩人…合掌。
でもすごいヒントですね、そのコピー。
私が勝手に思ってるだけで特に論拠はないのですが、
イギリスって「自然(に見せかけること)がいい」というイメージです。
ガーデン然り、風景画然り、ワーズワース然り、
写生とか写実からにじみ出てくる叙情って感じなんですね。
それに比べると例えばアイルランドの詩は
妖精とか神話とか幻想とかが普通にいっぱい出てきていて、
だからってファンタジーというだけじゃなく骨太精神もある。
それを踏まえると(私だけが勝手に踏まえてるのですが)
「ユア・ビューティフル」のangelとsheとyouの関係が見えてくるかと。
by のっこ (2006-05-02 13:05) 

のっこ

↑途中で送信してしまいました。

angelとsheとyouというのははっきり理屈があるというよりは
呪文のように、そう口に出したとたんに変わってしまうような感じです。
つかまえたと思ったら消える、とか。
前にはるちーさんが書かれてましたがほんとに簡潔な言葉だけですよね。
叙情的な言い回しを使わずに
こういうイメージが出るところが「吟遊詩人」なんでしょうか。
私が映像ディレクターだったら
地下鉄の中でangelとsheとyouのダブリ映像を多用して
プロモを作ってしまうだろうなーと思います。
が、雪の中で服脱いでダイビングなのですよねーまことに自由な発想!
ふー
なんかほんとに研究会になっちゃいましたね。おもしろいけど。
by のっこ (2006-05-02 13:38) 

はるちー

>のっこさま
なるほど! 分析どうもありがとうございます!
口に出したとたんに消えてしまう……。
イメージが浮かびます。私がもし映像ディレクターだったら、やっぱり地下鉄での撮影になると思います(笑)。スローモーションを多用したりして。あのPVの発想は本当にすごいですよね。
angelとsheとyouの関係についてここでコメントしようと思いましたが、きょう3日付の日記に場所を替えてあらためて書きたいと思います(文章が長くなるような予感なので。コメント欄もずいぶん伸びちゃいましたから)。ではでは。
by はるちー (2006-05-03 02:23) 

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