ただマイヨ・ジョーヌのためでなく [読書]
タイガー・ウッズが初めて全英オープンで優勝したのは2000年7月23日。
この時の会場もゴルフの聖地、セント・アンドリューズだった。
思い出すのが、奇しくも同じ日に自転車ロードレース、ツール・ド・フランスで2連覇したランス・アームストロング。がんで長く闘病した後での2連覇だった。言うまでもなく、ウッズもアームストロングも米国人である。この2人が欧州で圧倒的な強さで優勝した日だった。
そのアームストロングが今、前人未到の7年連続7度目の優勝に向かって走っている。彼にとって最後のツール・ド・フランスだ。おそらく7連覇という偉業を遂げて、この世界最高峰の舞台から降りることになるだろう。現在33歳。引退にはまだまだ早いと思うのだが。シャンゼリゼを駆け抜ける最後の勇姿は見逃せない。
で、今読んでいるのがこの本。
「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」(講談社)
ランス・アームストロング(著)
マイヨ・ジョーヌとは、ツール・ド・フランスで1位の選手だけが着られる黄色のジャージのこと。
原題は「It's Not About the Bike」
冒頭の部分に書いてある言葉が印象深い。
「最初にお願いしたいのだが、まず英雄とか奇跡といった考えは脇に置いておいてほしい。なぜなら僕はおとぎ話の主人公ではないからだ。ここはディズニーランドでもハリウッドでもない」(「ただマイヨ・ジョーヌのためでなく」より)。
過酷な闘病記でもある。生存率20%以下の状況から、完全復活を遂げるまでのストーリーだが、ヒーロー視しないで読むのが彼への礼儀だろう。
自転車で走ったときのような風を感じながら読みたい1冊です。
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